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静坐を教わる

12月3日の土曜日は、新しくお見えになった方と二人でした。

いつも来てくださる方々は用事で、いくらなんでも二人だけ

だと寂れた人気のない会に見えてしまうだろうなぁ、と思った

のですが、終わってみたら「二人だけで良かったな。」と。

 

お互い初対面というのは、何をどう話して良いかどまどうもの

です。他に誰かいると話しにくい、ということもあります。

ところが二人なので、少しずつお互い話し始めて、気がついたら

私は「話を聞いていただいた。」というありがたさを感じた

のです。

 

実は、一週間前から何をどう話そうか、どうやって坐り方を

説明したらいいか、時間の配分をどうしようか、茶話会には

いつもとは違うお菓子を用意しようか、とか考えていました。

しかし、結局「素のまま」で「シナリオなし」でその時、

そのままで、いつものとおり、ということにしました。

お菓子は、5枚4パックで100円のココナッツサブレを買って

1パックずつとなりました。

 

終わって、ふと気づいたら「今日はいろいろ教えていただいたな。」

と思ったのです。

 

それは、なんというか、

初対面の方と会うと毎回「お前は何ものだ?」と聞かれることだと

思うのです。

相手がどんなであれ、いつでも同じように用意していたように

同じことをいい、同じことをするようでは、ロボットであって

人間ではないでしょう。

 

加藤千恵さんの『放課後』という歌集の言葉ではないけれど、

 

私をやっている私という今を、相手をやっている相手の今と

 

迷いながら ぶつかりながら 揺れながら 過ごしている今を

いとおしく思うのです。